採用の仕事は、地味に時間がかかります。
求人票を書こうとして、何を書けばいいか迷って1時間が過ぎた。面接前に質問を考えようとしたが、毎回同じ内容になってしまう。応募者へのメールを書くたびに、文章を一から考えている。

こうした作業は、採用の判断そのものではありません。でも積み重なると、かなりの時間を取られます。

採用担当が1人か2人という会社では特にそうです。求人を出しながら、面接の準備をしながら、応募者への連絡もこなす。その中で「文章を考える時間」だけでも減らせると、仕事の流れがずいぶん変わります。

AIが向いているのは、まさにこの「考える前の準備」の部分です。判断や評価ではなく、最初の案を作る作業です。

この記事でわかること
採用の仕事でAIを使いやすい3つの場面
実際にどう入力するか(プロンプト例付き)
AIに任せないほうがよい仕事と注意点

求人票の下書きを3分で作る

求人票を書くとき、こう入力してみてください。

> 中途採用の営業職の求人票を作ってください。会社は食品の卸売り、従業員30名、未経験歓迎、地方勤務です。400字以内で。

返ってきた文章は、整っています。構成もしっかりしている。でも、少し他社と似た表現になりがちです。「積極的な方を歓迎します」「チームワークを大切にしています」など、どこにでもありそうな言葉が並ぶことがあります。

そこだけ自分で直してください。「うちは〇〇な会社だから、この表現は違う」と感じた部分を書き換えるだけです。ゼロから考えた文章より、直す作業のほうがずっと速い。

ゼロから考える1時間が、直す15分に変わります。「こんな表現もあるか」と気づくきっかけにもなります。

面接の質問を事前に整理する

面接前にこう入力してみてください。

> 営業職の中途採用の面接で確認したいことを10個リストアップしてください。未経験者向けで、人柄と仕事への意欲を見たいと思っています。

出てきたリストを見ると、「これは聞いていた」「これは忘れていた」と気づくことがあります。自分では当たり前だと思っていた質問が抜けていたり、逆に毎回同じ質問ばかりしていたことに気づいたりします。

10個のうち使えるのは6〜7個くらいです。残りは「自社では聞き方が違う」「これは今回の候補者には合わない」と判断して外してください。選ぶ作業自体が、面接の準備になります。

応募者へのメールを下書きさせる

面接日程の案内や、選考結果の連絡など、定型に近いメールは特に向いています。

> 一次面接の日程を応募者に案内するメールを書いてください。丁寧だが簡潔に。200字以内で。

返ってきた文章は、そのまま送れる完成度です。あとは日時と場所を自分で入れるだけ。

ただ、文体が自社の雰囲気と合わないことがあります。少し硬すぎる、または逆にカジュアルすぎると感じたら「もう少しやわらかい表現で」「もう少し丁寧に」と続けて頼んでください。1〜2回のやり取りで自社の雰囲気に近づきます。毎回ゼロから書いていた5分が、確認して送るだけの1分になります。

応募者の情報は入れない

一つだけ気をつけてください。名前・年齢・住所など、個人が特定できる情報はAIに入力しないことです。

「Aさん、35歳、前職は〇〇社」のような形で相談するのではなく、「ある応募者への返信文を考えて」という形に言い換えてください。それだけで問題なく使えます。

まとめ

AIが出してきた求人票も、質問リストも、メール文も、最後に見るのは自分です。
「これは自社らしくない」「この表現は違う」と感じたら直してください。AIは最初の案を出す係です。仕上げるのは、その会社のことを一番よく知っている人間です。

採用は、人を見る仕事です。AIに任せていい部分と、人が見るべき部分の線引きは、使いながら自分で決めていくものです。最初から完璧に使いこなそうとしなくていい。まず求人票の下書きを1回やってみてください。

「なんだ、これで十分じゃないか」と思ったら、次の場面に広げてみてください。少しずつ使い方を自分のものにしていけばいいだけです。

Q&A

Q1. どこから始めればいいですか?
求人票の下書きが一番入りやすいです。募集職種と会社の概要を伝えるだけで最初の案が出ます。

Q2. 面接の合否判断にも使えますか?
避けたほうが安全です。評価や判断は人が行う前提を崩さないでください。AIは準備の道具として使うのが適切です。

Q3. 応募者の情報を入れても大丈夫ですか?
名前や年齢など個人が特定できる情報は入れないでください。「ある応募者への文章を考えて」という形に言い換えれば問題なく使えます。