AIは便利です。
ただ、使い始めのうちは「早くできる」ことが先に立ち、雑な使い方になりがちです。怖いのは、大きな事故より、「この会社、ちょっと雑かも」と思われるような失敗です。そうした違和感が、会社の印象を下げます。

この記事でわかること
AIを使い始めた会社で起こりやすい失敗 ・どこで確認すれば、失敗を防ぎやすいか ・最初に決めておきたい使い方の線引き

1. 広報がAI画像をそのまま出して、サービスまで安く見られる

新しいサービスをSNSで告知したいのに、画像の準備が間に合わない。そこで広報担当者がChatGPTで作った画像をそのまま投稿してしまい、「AIで作った画像をそのまま使う会社なんだ」と受け取られる。すると、「この会社が作るサービスって大丈夫なのかな」という不信感につながり、告知のつもりが逆に印象を悪くしてしまうことがあります。

いまは、いかにもAIで作ったと分かる画像にはすぐ気づかれやすいです。そこで持たれやすいのが、「手をかけていないんだな」という印象です。広報や採用の発信では、その印象がそのまま会社のブランドイメージにつながります。

社外に出す画像に、生成AIで作った画像をそのまま使うのは避けたほうがよいでしょう。使う場合も、何度もAIとやりとりしながらAIっぽさを抑え、本来伝えたいことがきちんと伝わる段階まで仕上げてから使ったほうがいいです。

2. AIで作ったお詫び文をそのまま送り、相手に不快感を与える

納期の遅れや案内ミスが起きたときは、急いでお詫びの連絡をしなければなりません。そこでAIに文面を作らせ、そのまま送ってしまうと、丁寧ではあっても、どこか他人事のように見え、「ちゃんと自分の言葉で謝っていないな」という不快感を持たれることがあります。

お詫びの文面で大事なのは、きれいに整っていることより、きちんと向き合っていると伝わることです。AIの無難な文章に任せきると、その温度が抜けやすくなります。

AIは下書きまでなら使えますが、お詫びや説明不足のフォローは、そのまま送らないほうがいいです。何が起きたのか、自分たちがどう受け止めているのかは、人の言葉で入れたほうが伝わります。

3. 告知文をAIで作って確認を飛ばし、日付や条件を間違えて出してしまう

イベント案内やキャンペーン告知、営業時間変更のお知らせは、AIを使うと早く下書きできます。便利なので、そのままホームページやSNSに載せたくなることもあります。

ただ、確認を飛ばすと、日付や時間、対象者、申込条件といった大事な情報がずれたまま出てしまうことがあります。文章が整って見えるぶん、作った側も見落としやすいです。

厄介なのは、「書いてあることが違う会社なんだな」と思われることです。こういうミスは、小さく見えても信用を削ります。

AIに案内文を作らせるのは構いませんが、日時、場所、金額、条件のような事実は、最後に必ず人が確認したほうがいいです。

4. 新人がAIで作った提案文を使い、できないことまで書いてしまう

営業経験が浅い担当者にとって、AIで提案文のたたき台を作れるのは便利です。
ただ、そのまま使ってしまうと、自社ではまだ対応できないことや、現場に確認していない内容まで、もっともらしく入り込んでしまうことがあります。

本人は、うまくまとまった提案ができたつもりでも、あとで現場が「それはできない」「そこまでの運用は想定していない」と困ることがあります。新人ほど起こしやすいのは、こういう失敗です。

AIは整った提案文を作るのが得意です。でも、その内容が本当に自社で出せるものかどうかは別です。とくに提案や見積の説明は、上司や現場の確認を通してから出したほうが安心です。

5. 会社紹介や採用文をAIで整えすぎて、選ばれる理由が消える

会社紹介や採用ページ、代表あいさつをAIで整えると、文章はきれいにまとまります。
ただ、整えすぎると、どの会社にもありそうな文章になってしまいます。

その結果、「ちゃんとしている会社だな」と思われる前に、「よくある会社紹介だな」で終わってしまうことがあります。本当は、なぜこの会社が選ばれてきたのか、どんな人が働いているのか、何を大事にしているのかが伝わることが大切です。そこが見えなくなると、選ばれる理由も弱くなります。

AIは整理には向いています。ただ、選ばれる理由まで無難な文章にしてしまうと、会社の魅力は弱くなります。最後は、自分たちにしか言えない話を残したほうがいいです。

失敗を減らすために、最初に決めておきたい3つ

  • 何をAIに任せるか
  • 何は人が最後に確認するか
  • 社外に出すものは誰が確認するか

最初から細かいルールまで決める必要はありません。まずはこの3つを決めるだけでも、失敗はかなり防ぎやすくなります。

まとめ

AIは便利ですが、使い始めたばかりの時期ほど、雑な使い方がそのまま会社の印象に出やすくなります。

大切なのは、AIを使わないことではありません。AIに任せてよいものと、最後は人が確認すべきものを分けることです。その線引きがあるだけでも、失敗をかなり防ぎやすくなります。