朝デスクに座ってメールを開いた瞬間、来月の館内イベント告知、テナント向けのお知らせ、Googleマップに溜まった口コミ返信、施設公式SNSの今週の投稿。次々とやることが目に飛び込んできます。本業は施設運営や店舗管理のはずなのに、広報まわりの作業が日々積み上がっていきます。
そこでAIに下書きを任せてみると、状況が変わります。PCやスマホからChatGPTやGeminiに指示するだけで、案内文や告知文の下書きが数秒で返ってきます。今回は、複数店舗や商業施設の運営でAIが役立つ7つの場面をまとめました。
この記事でわかること
- 複数店舗・施設運営でAIが役立つ7つの場面がわかる
- AIに下書きを任せて担当者が仕上げる流れがつかめる
- 兼務でも回せる広報まわりの作業の進め方が見えてくる
広報まわりの作業は本業のすき間で積み上がる
複数店舗・複数テナントを抱える担当者は、実はかなりの量の文章を書いています。テナント向けの案内文、各店舗のPOP、施設全体のイベント告知、口コミへの返信、公式SNS投稿、来館者からの問い合わせ対応、予約確認メッセージ。
ひとつひとつは短い文章でも、店舗数やテナント数を掛け合わせると週に数十件の単位になります。しかも本業の運営管理業務をこなしながらの兼務です。集中して文章に向き合う時間はなかなか取れません。
ここでAIに下書きを任せると、回せる量がぐっと増えます。
案内文とお知らせ文はAIが特に得意
営業時間の変更、フロア改装のお知らせ、臨時休館の案内、テナント向けの定例連絡。こうした「ある程度型が決まっている文書」はAIがいちばん得意とする領域です。
ChatGPTに「来月から営業時間が変わる旨を、テナント向けに案内文として作って。丁寧めの口調で200字程度」と指示するだけで、整った文面がすぐ返ってきます。担当者は出てきた文章を確認して、施設名や日付、固有の事情を反映するだけで配信できます。
ゼロから書くと30分かかっていた案内文が、5分で仕上がります。
販促・イベント告知は3案出してもらう
施設全体のイベント告知や季節キャンペーンの告知文は、媒体ごとに書き分けが必要になります。館内掲示用、テナントへの周知メール、公式サイトのお知らせ欄、SNS投稿。同じ内容でも、読み手と場所が違えば言葉の選び方が変わります。
AIに頼むときは「館内ポスター用」「メール配信用」「公式サイト用」と3案まとめてお願いするのがコツです。1回の指示で媒体別の下書きがそろうので、担当者は最後の言葉選びと整合性チェックに集中できます。
施設の雰囲気やブランドのトーンは担当者にしかわかりません。AIが出した3案から「自社ならこの言い方」と選び、ひと手直しする工程が品質を担保します。
複数店舗の口コミ返信こそAIの下書きが効く
複数店舗を抱えていると、Googleマップに届く口コミは週に数十件にのぼることもあります。お礼の返信なら雛形を作って回せますが、ネガティブな口コミに即返信しようとすると、つい感情が乗りすぎてしまうこともあります。
そんなときこそAIの下書きが効きます。「次の口コミに、丁寧で冷静なお詫びの返信を書いて」と頼んで、出てきた文章を一度落ち着いて読む。そのうえで店舗の状況に合わせて整えると、感情に流されない返信になります。
複数の担当者で対応する場合も、AIで下書きの基準をそろえておけば、店舗ごとに返信のトーンがバラつくリスクを抑えられます。
問い合わせと予約確認は「型」を作って共有
「駐車場はありますか?」「館内のATMはどこですか?」「予約は何日前まで可能ですか?」。施設代表に届く問い合わせは、内容の多くを定型化できます。
一度AIに返信の型を作ってもらい、部署の共有フォルダや問い合わせ管理ツールに保存しておくと便利です。次からはコピーして必要なところだけ書き換えれば、数十秒で送れます。予約確認メッセージや来館リマインドも同じやり方で、何パターンか用意しておけば担当者が変わっても使い回せます。
ゼロから書かない仕組みを作ることが、いちばんの時短になります。
AIは下書き係、仕上げは現場の担当者
ここまでの流れに共通するのは、AIが書いた文章をそのまま外に出すわけではないという点です。AIは下書き係で、仕上げるのは現場の担当者。施設の雰囲気、テナントとの関係性、店舗ごとの事情は、その場にいる人にしかわかりません。
AIが出した整っているけれど無難な文章を、自社の言葉に直していく。その一手間が、ブランドや施設の個性を守ります。ゼロから書く必要がなくなるだけで、担当者の負担は大きく減ります。白紙に向かう緊張感がなくなり、修正と確認だけで済むからです。
慣れてきたら、自社のルールをAIに覚えさせる
ここからは少し慣れてからの話になります。最初のうちは「丁寧めの口調で200字」「施設名は◯◯」と毎回指示していても問題ありませんが、続けていると同じ指示を繰り返すのが手間に感じてきます。
そんなときは、自社でよく使う言い回し、避けたい表現、署名や問い合わせ先のテンプレートなどを最初にまとめて伝えておきます。それ以降は、近いトーンの下書きが安定して返ってくるようになります。
ChatGPTやGeminiには、こうした前提情報を保存しておく機能もあります。次のステップとして覚えておくと、作業の効率がもう一段階上がります。
まとめ
広報まわりの作業は、こなしてもこなしても次が来ます。すべてを一気にAIに任せる必要はありません。今週ひとつだけ、たまっている案内文や口コミ返信の下書きを、AIに頼んでみてください。
「これくらい自分で書ける」と思っていた作業ほど、下書きを任せると時間が浮きます。浮いた時間は、本来の運営業務や現場との調整に戻せます。完璧にやろうとせず、1つの場面で試すところから始めてみてください。
Q&A
Q. ChatGPTとGemini、業務にはどちらが向いていますか?
A. どちらも無料プランで案内文や告知文の下書きには十分使えます。社内で使っているGoogleやMicrosoftの環境に合わせて選ぶのが現実的です。慣れてきたら同じ指示を両方に出してみて、出力の雰囲気が業務に合う方に絞るやり方もあります。
Q. AIで作った文章をそのまま使っても大丈夫ですか?
A. そのまま出すと「整っているけれど自社らしさのない文章」になりがちです。必ず担当者が自社の言葉に直す工程を入れてください。テナントや来館者は、施設の個性が出ている言葉に反応します。
Q. 担当者全員でAIを使い始めるには、どう進めればいいですか?
A. まずは1人が1場面で試して、うまくいった指示文(プロンプト)をチームで共有するところから始めるとスムーズです。「案内文用」「口コミ返信用」と用途別に指示文をストックしておけば、誰が使っても近い品質で下書きが作れます。

