この記事でわかること
- 専用ツールがなくても、生成AIとGoogle検索でキーワードのあたりをつける方法
- 構成案・下書き・タイトル付けまで、工程ごとのAIの使い分け
- AIに任せる部分と、自分で手を入れる部分の線引き
ECサイトを運営していると、受注処理、梱包、発送、問い合わせ対応で一日が過ぎていきます。コラムやブログの更新は「また今度」になりがちです。
本来はSEO専用ツールやGA4・Search Consoleの分析データを使うのが理想ですが、それを使いこなす時間がない方も多いはずです。この記事では、生成AIだけで1本目のコラムを出すところまでをお伝えします。
商品ページだけでは届かない人がいる
ECの集客は、商品ページだけでは限界があります。商品名で検索する人は、もう買う気になっている方です。買う前に迷っている人は、「○○ 選び方」「○○ 比較」「○○ 失敗」といった違う言葉で検索しています。
こうした検索を拾うのがコラムやブログの役割です。商品をまだ知らない人と商品ページのあいだをつなぐ橋のようなもので、橋がなければ良い商品ページを作っても、たどり着いてもらえません。
AIとGoogle検索でキーワードのあたりをつける
キーワード選びというと専門ツールを思い浮かべますが、生成AIとGoogle検索を組み合わせれば、ある程度のあたりはつけられます。
まずGoogleの検索窓に「革バッグ」と打ち込むと、下に候補がいくつも表示されます。これがサジェストと呼ばれるもので、実際に多くの人が検索している言葉が並んでいます。検索結果ページの一番下にも関連する言葉がまとまって出てきます。これらは無料ですぐ確認できる、生きた情報源です。
気になった言葉をAIに渡し、「『革バッグ 手入れ』というキーワードでコラムを書きたいです。読者が知りたいことを10個挙げてください」と聞けば、記事に入れるべき要素が並びます。お客さまから普段よく聞かれる質問もAIに渡すと、コラムのテーマがさらに広がります。
注意したいのは、AIは正確な検索ボリュームまでは出せない点です。出てきた候補のうち、自社の商品で本当に答えられるものを選ぶのは、運営者の仕事になります。
工程を分けてAIに頼む
AIに「SEO記事を書いて」と一気に頼むと、どこかで読んだような無難な文章が返ってきます。能力の問題ではなく、頼み方の問題です。
コツは工程を分けることです。まずは構成案だけを頼みます。「革バッグの選び方で見出し案を考えてください」と頼むと、骨組みが返ってきます。自分の商品で答えられない見出しは外し、足したい見出しは加えて整えます。
次に下書きを頼みます。このとき大事なのは、AIに渡す情報を増やすことです。読者は誰か(はじめて革バッグを買う30代男性、など)、目安の文字数、やさしく丁寧なトーンで、といった条件を最初に伝えます。さらに自社の商品情報、お客さまから聞いた声、現場のエピソードも一緒に渡します。「縫製は手作業」「雨の日の手入れをよく聞かれる」といった情報を加えると、AIの文章が一気に自社らしくなります。
記事の終わりには、関連する商品ページへ自然につながる一文を入れておくのを忘れないでください。コラムを読んだ人が次に何を見ればいいかを示すのは、ECならではの大切な役割です。
最後にタイトルとメタディスクリプションを頼みます。メタディスクリプションとは、検索結果でタイトルの下に表示される短い紹介文のことです。本文ができてから「タイトル案を10個」「ディスクリプションを5個」と頼み、自分の感覚に合うものを選んで仕上げます。
AIに任せる部分と、自分で手を入れる部分
AIができるのは、構成の組み立て、たたき台の作成、タイトル候補の量産です。一方で、自社の商品の使われ方、お客さまの感想、地域ならではの事情、過去の失敗談は、運営しているあなたの中にしかありません。
もうひとつ、人間が必ずやるべき作業があります。AIが書いた数字や固有名詞のチェックです。AIは平然と事実と違うことを書く場合があります。素材の名前、お手入れの方法、サイズの数値などは、自分の商品と照らし合わせて1つずつ確認してください。ここを省くと、お客さまの信頼を一気に失います。
Googleは「ユーザーにとって役に立つコンテンツ」を評価する方針を続けています。AIで生成しただけの記事は評価されにくく、一次情報と確かな事実が入った記事ほど、他のECサイトと差をつけやすくなります。AIは下書き係、仕上げは人間。この線引きが、読まれる記事になるかどうかの分かれ目です。
1本目を出したあとにやってほしいこと
1本書けたら、しばらく様子を見ます。本格的にSEOを伸ばすには、どの記事が読まれているか、どんな言葉で検索されているかを知る必要が出てきます。それを調べるのがGA4やSearch Consoleです。これらを使った分析については、中級編として今後あらためて記事にする予定です。
まとめ
完璧な記事を1本目から目指す必要はありません。AIに下書きを手伝ってもらい、自分の商品とお客さまのことを書き足し、数字や事実を確かめる。それだけで、止まっていたコラムが動き出します。
まずは自社の商品で1本、AIと一緒に書いてみてください。出してから整えていく、それで十分です。
Q&A
Q. AIで書いた記事をそのまま公開しても大丈夫ですか?
技術的には公開できますが、おすすめはできません。Googleは役に立つコンテンツを重視する方針を出しており、AIで生成しただけの記事は評価が伸びにくい傾向があります。公開した記事の内容には運営者の責任がつきまといますので、商品の説明に間違いがないか必ず自分の目で確認してから公開してください。
Q. ChatGPT・Gemini・ClaudeのうちECのSEO記事にはどれが向いていますか?
どれでも1本目は書けます。ChatGPTは構成案やタイトル案の量産が得意で、Geminiは最新の話題を扱うときに役立ち、Claudeは長めの文章を自然なトーンで書くのに向いています。普段使っているもので始めて、物足りなければ他も試す順番で十分です。

