この記事でわかること

  • 商談前の準備のうち、AIに任せやすい仕事がわかる
  • AIに頼んだあとに自分でやるべき一手間がわかる
  • 1時間の準備の質が、商談本番にどう効いてくるかがわかる

商談前は、何かと慌ただしい時間になりがちです。相手の会社のサイトを開き直し、提案書を最後にもう一度手直しして、気づけば移動時間がギリギリになっていることもあります。そんな商談前の1時間を、生成AIで少し落ち着いた時間に変えることができます。

商談前の1時間、何に時間がかかっているのか

営業の1件あたりの準備を分解してみると、意外とやることが多いことに気づきます。相手の会社の事業内容や最近のニュースを調べる。過去のやりとりやメール履歴を見直す。提案書を相手に合わせて少し直す。質問されそうな点を頭の中で整理する。送付済みの資料に間違いがないかもう一度確認する。これだけで1〜2時間は平気で消えていきます。

訪問先が遠かったり、商談が立て込んでいたりすると、この1時間がますます重荷になります。「準備にもう少し時間をかけたかった」と思いながら出発した経験は、営業の方なら一度や二度ではないはずです。

AIに任せやすい4つの準備

商談前の準備のなかで、生成AIが得意とするのは「整理」と「下書き」です。具体的には4つの場面で力を発揮します。

1つめは相手の会社を短時間で把握する作業です。「株式会社○○の事業内容と最近のニュースを、商談準備に使える形で整理してください」と入れるだけで、ホームページを行き来して読む時間が短くなります。ただし生成AIは数年前の古い情報を引っ張ってくることもあるので、社名や役員名、取扱商品など、商談で直接触れる部分は会社の公式サイトで一度確認しておくと安心です。

2つめは想定質問の洗い出しです。「製造業の経営者がこの提案を聞いたときに気になりそうな質問を10個出してください」と頼むと、自分では思いつかなかった角度の質問が並びます。商談中に答えに詰まる場面を減らせます。

3つめは提案内容のカスタマイズです。汎用の提案書を「現場責任者向けに、専門用語を避けて言い換えてください」と指示すると、相手に合わせたトーンに調整できます。

4つめは送る資料の最終チェックです。「この文章の中で、相手にとって分かりにくい表現を指摘してください」と聞けば、自分では気づかなかった引っかかりを教えてくれます。

準備が変わると、商談中の自分が変わる

商談前の1時間にAIを取り入れて一番大きく変わるのは、実は商談本番のほうです。

相手の会社の情報がきちんと頭に入っていると、相手の話を聞く余裕が生まれます。想定質問を事前に眺めておけば、当日「あ、その話か」とすぐに反応できます。提案書が相手に合わせて少し直してあれば、相手は「自分のために用意してくれた資料だ」と受け取りやすくなります。

これまでは準備に追われて、商談本番では「とにかく説明する」だけで時間が終わっていました。それが「相手の話を引き出す商談」に変わっていきます。準備の1時間が変わると、30分の商談の中身も変わってくる感覚です。

AIに丸投げしない一手間

ここまで読んで、「全部AIに任せれば準備が終わるんだ」と感じた方には、もう一つだけ伝えたいことがあります。AIが出した答えをそのまま読み上げて商談に持ち込むのは、おすすめできません。

AIの文章は整いすぎていて、自分の言葉になっていない部分が必ず残ります。出てきた要約や想定質問を見たあと、自分なりに「この一言は要らない」「ここは自分ならこう聞く」と手を入れる時間を5分でも取ると、商談中の言葉に違和感が出にくくなります。AIは下書き係、仕上げは自分の役割です。この役割分担を崩さないことが、商談準備でAIを使うときの一番のコツになります。

まとめ

明日の商談1件、まずは相手の会社の概要をAIに整理してもらうところから始めてみてください。準備が早く終われば、その分だけ「商談で何を聞きたいか」を考える時間に回せます。1時間の準備が変われば、商談本番の30分も変わってきます。

Q&A

Q1. AIで調べた会社の情報、どこまで信用していいですか

事業内容や業界の話など一般的な情報はおおむね正確ですが、最近のニュースや具体的な数字には間違いが混ざることがあります。商談で使う前に、その会社の公式サイトやプレスリリースで一度裏を取る習慣をつけておくと安心です。AIは「調べる入口」として使い、最終的な確認は自分の目で行ってください。

Q2. ChatGPTとGemini、商談準備に向いているのはどちらですか

どちらも商談準備に使えますが、最新情報の検索を含めるならGeminiが一歩リードする場面があります。ChatGPTも検索機能を備えているので、好みの問題と言える範囲です。普段使い慣れているほうで試してみて、物足りなさを感じたらもう一方を比較してみるとよいでしょう。

Q3. 商談相手とのメール履歴をAIに入れて要約させてもいいですか

相手の許可を取っていないメールや個人情報を含むやりとりを、外部のAIにそのまま貼り付けるのは避けたほうが安全です。要約させたい場合は、社名・人名を伏せ字にしたり、要点だけを書き直してから入力したりする工夫が必要になります。社内で使えるAIツールが用意されている場合は、そちらを優先してください。